バンカーに入った瞬間、多くのゴルファーが頭を悩ませるのが「どのクラブで打つべきか」という問題です。サンドウェッジを手にするのが定番ですが、実は状況によって適切なクラブは変わってきます。
フェースの開き具合やバンス角、距離や傾斜など、バンカーには複数の要素が絡み合っており、毎回同じクラブで対応するのは非効率とも言えるでしょう。
本記事では、バンカーショットに最適なクラブの選び方を場面別に詳しく解説するとともに、実際のスイングが学べるおすすめのYouTube動画も3本紹介。
クラブ選びに迷わないための判断基準を身につけ、バンカーからの脱出成功率を高めましょう。
バンカーでクラブ選びに迷うのはなぜ?
バンカーショットでクラブ選びに迷う理由は、状況ごとの変化が激しいことにあります。バンカーでは、以下のように考慮すべき要素が多岐にわたります。
- 砂が硬いか柔らかいか
- ボールの沈み具合
- グリーンまでの距離
- アゴの高さ
一般的にはサンドウェッジ(SW)がバンカー専用のクラブとして使われますが、必ずしもすべてのバンカーに最適とは限りません。距離がある場合はピッチングウェッジ(PW)やアプローチウェッジ(AW)が有効ですし、砂が極端に硬い場合にはバンス角の少ないクラブを選んだほうが抜けがよくなります。
また、バンカーから一発で脱出できない経験をしたゴルファーほど「クラブが合っていなかったのでは?」という疑念を抱きやすく、クラブ選びがトラウマ的な要因になることも。正しい知識と判断基準があれば、クラブ選びの迷いは減らせます。
バンカーショットのクラブ選び|場面別のおすすめクラブと理由
バンカーショットでは、状況に応じたクラブ選びが成功率を大きく左右します。ここでは代表的な場面ごとに、適したクラブとその理由を解説します。
状況 | おすすめのクラブ | 理由 |
---|---|---|
アゴが高く砂が柔らかい | SW | バンス角が大きいモデルなら、砂にクラブが潜り込みすぎず、ボールを高く持ち上げやすくなるため |
アゴが低く距離がある | AWやPW | バンス角が少なくフェースを開かずに打てるため、飛距離が稼ぎやすいため |
砂が硬くボールが浮いている | バンス角の小さいSWやAW | 硬い地面ではバンスが邪魔になりやすいため、刃先が入りやすいクラブを選ぶと良い |
ボールが沈んでいる難しいライ | バンス角のあるSW | フェースを開いて打つと、砂ごとボールを運び出しやすくなる |
状況を見極めてクラブを選べば、バンカー脱出の成功率は大きく変わります。感覚に頼らず、戦略的に選ぶことが上達への近道です。
バンカーショットのクラブ選びがわかるYouTube動画3選
バンカーショットのクラブ選びは、文字だけではなかなかイメージしにくいもの。そんなときに役立つのが、実際のスイングや状況判断を解説してくれるYouTube動画です。
ここでは、クラブの選び方や打ち方の違いを視覚的に理解できる、実践的でわかりやすい3本の動画を厳選して紹介します。
苦手意識を減らしたい方は、ぜひチェックしてみてください。
PowerRotationGolf|バンカーショットのクラブ選びと高確率の打ち方
はじめに紹介するのは、視聴者から寄せられた質問に対して回答をする、「PowwerRotationGolf」の動画です。グリーンサイドバンカーから一発で脱出し、ワンパットの確率を高めるためのクラブ選びと打ち方を解説してくれています。
クラブ選びに関しては、ウェッジが基本です。しかし同じウェッジでも以下の条件を満たしているものを推奨しています。
- 10度以下のローバウンスのウェッジは使わない
- ソールが削られておらずしっかりとあるもの
「バウンス」とはウェッジのソールのふくらみのことです。バウンスが大きいウェッジはリーディングエッジより先にバウンスが地面に当たるため、クラブヘッドが砂に刺さりにくくなります。
また、地面と接地するソールが削られていると抵抗が少ない分テクニックが必要になるため、はじめのうちはソールがしっかりとあるものを選ぶのがおすすめです。
- セットアップ:脇の下から5cm手前
- グリップを自分のおヘソに向けてハンドレイトにする
- 左足に体重を55%かける
- 足を通常のショットよりも開く
- ピンの位置が12時だとしたら12時〜1時に向くようフェースを開く
- スイングはインサイドインでも構わない
説明のところどころに数字を交えて具体的に教えてくれるため、頭でしっかりと理解できる動画です。
石渡俊彦プロの「ゴルフ知ってるつもりチャンネル」|バンカー=SWの概念を捨てる
続いて紹介するのは、石渡俊彦プロが解説する「ゴルフ知ってるつもりチャンネル」の動画です。
本文でも紹介しましたが、バンカー=SWという概念を持っている人は、非常に多いです。特に自分の身長ほどあるアゴが高いバンカーの場合、SWのみを持ってバンカーに向かっていませんか?
しかし、動画ではSWのほか、AWでも同じ打ち方でなんなくボールを出せています。
またSWよりも少ない力で距離が出るというメリットも。これは特に、砂をすくう動きができなくて砂にクラブが刺さってしまい、バンカーからの脱出ができない人におすすめです。
SW以外でも打てるということがわかれば、グリーンまで距離があるバンカーに入ってしまっても、適切なクラブ選びができるようになるでしょう。まずは、自分はどこまでのクラブでバンカーを出していけるかを、確認してみて自分の概念を変えてみてください。
GOLFavo|フェアウェイバンカーのクラブ選択と打ち方のコツ
最後に紹介するのは、フェアウェイバンカーの攻略法として、クラブ選択と打ち方のコツを解説してくれている馬場ゆかりプロが解説してくれている動画です。
バンカーの動画=グリーン周りのものが多くありますが、フェアウェイバンカーを攻略できればパーオン、ボギーオンの確率が上がります。
アゴもなく、比較的フラットのフェアウェイバンカーであれば、クラブ選びは結論、自分の好きな確実に出るクラブを選んでも問題ありません。フェアウェイウッドやハイブリッドなどでしっかりと出せれば、フェアウェイで打ったのと変わらないくらいの距離を稼げるでしょう。
打ち方のコツは以下の通りです。
- 少し短めに持つ
- ボールをやや左めに置いておく
- 普通のショットの7〜8割のコンパクトなショットをする
- 左に体重を置いたまま上から振っていく
アゴが高いフェアウェイバンカーの場合は、無理せずSWやPWなどを持ってまずは出すことを考えることが大切です。
クラブ選びを工夫すればバンカーショットはもっと楽になる
バンカーショットにおいて「クラブはサンドウェッジ一択」と決めつけてしまうのは、非常にもったいない選択です。状況に応じて最適なクラブを使い分けることで、脱出成功率が格段に上がり、余計なミスも防げます。
さらに、動画で実際のスイングや判断の流れを見ることで、クラブ選びに自信を持てるようになります。「状況を見て最適なクラブを選ぶ」という意識を持つだけでも、バンカーショットはぐっと楽になるはずです。
これからはクラブを“なんとなく”選ぶのではなく、“根拠を持って”選ぶ。そんなゴルファーを目指して、実戦の中で少しずつ工夫していきましょう。

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